スノーピークから発売されている輻射式石油ストーブ「グローストーブ」
スノーピークには他に40W相当の明るさをもたらすレインボーストーブに、調理器具として優れた性能を誇る「タクード」が有ります。これらは共に対流式ストーブと分類される方式のストーブです。
対してグローストーブは輻射式と呼ばれる温め方をしており、温まり方が違うという特徴が有ります。
3種類すべてを使った経験をもとに、グローストーブの魅力を探っていきます。
・キャンプ用の輻射式石油(灯油)ストーブを探している方
・手をかざすと暖かさを感じれるストーブを探している方
スノーピーク グローストーブとは?その魅力は?
こちらがスノーピーク グローストーブです。赤い燃焼筒がストーブらしさを醸し出していますね♪
カタログ上のスペックがこちら…
〇重量:5.9㎏
〇タンク容量:4.9L
〇燃焼時間:約20時間
〇暖房出力:2.54kw
〇点火方式:電池式(単2を4個)
〇耐震自動消火装置付き
ざっとスペックを確認しましたが、グローストーブとはどんな魅力(特徴)があるストーブなのか、くわしく見ていきたいと思います。
輻射式なので、輻射熱が直接からだを温めてくれる
石油ストーブの暖め方には大きく分けて下記の2種類あります。
・対流式
・輻射式
簡単にザックリとそれぞれの暖め方の特徴をご紹介します。
グローストーブは後者の「輻射式」に分類されます。が、灯油を燃やすストーブなので、そこそこ対流効果も期待できます。
最初の写真の赤熱化している燃焼筒が輻射熱を発しているわけですが、ホント暖かいです。
近くにいると電気こたつの中にいるみたいに、じわ~~っと温めてくれます。体に沁みる感じの暖かさです。
対流式のレインボーストーブやタクードでは、ストーブ上部に手をかざして、その熱を直接浴びないと暖かさを感じにくいですが、グローストーブは近くにいるとしっかりと暖かさを感じます。
キャンプで冷えた手や足に輻射熱を当てると…心の底からストーブありがとうと言ってしまうくらいに。
全方面に輻射熱が届く
この輻射熱、ストーブの全方位に届きます。
この円筒状の筒から放射されるので、ストーブを囲むように座ると大人数が輻射熱の暖かさを享受できます。
家庭用の輻射式ストーブ(立方体型のやつ)は、背面に反射板が付いているので、ストーブ前方だけが暖かいですが、グローストーブは反射板が無いので全方位が暖かいです。
だから…
ホントはこんな風にテントに端っこに設置するともったいないんですけどね(笑)。端っこに置く場合は反射板が欲しい所ですね。
せっかく全方位に輻射熱が行き渡る形状なので、是非みんなでストーブを囲んで暖かい冬キャンプを楽しみたいものです。
輻射熱がこのストーブの暖かさの最大の特徴ですが、灯油を燃やしている以上、熱がテント内を循環もします。対流式に比べると空気全体を温める効果は弱いように感じましたが、2ルームテントのランドロックであれば、外気温+10℃くらいは見込める暖房効果が有りました。(※気象状況によってテント内の温度上昇率は変化します、あくまでも目安です)
空気全体を温める効果はタクードと同程度くらいかな。(タクードも大体10℃くらい暖かくしてくれますので)
タクードにプラスして輻射熱の暖かさと言った感じです。
グローストーブの暖房出力の2.54kwは、一般的なアウトドア用ストーブとほぼ同程度で…
タクード…2.15kw
スノーピーク レインボーストーブ…2.5kw
トヨトミ レインボーストーブ…2.5kw
フジカ ハイペット…2.56kw
アラジン ブルーフレーム…2.68kw
アラジン センゴク(ポータブルガスストーブ)…2.0kw
アルパカストーブ…3.84kw
と、他と比べても同程度の暖房出力です。ちなみに2.5kwのレインボーストーブは木造7畳・コンクリート9畳用なので、ほぼ同出力のグローストーブは家庭でもキャンプでも十分使えるスペックです。
1回の給油で最大20時間燃え続ける
こちら4.9Lの灯油で約20時間燃え続けます。
1泊2日だと…
13時チェックイン → 14時~15時に設営完了 → 16時ストーブ点火で、満タンなら翌12時まで燃え続けます。
という事は…
約4Lで16時点火 → 翌8時まで燃え続けてくれます。
朝飯付近まで暖かく、帰る頃には鎮火している。満タンちょっと手前で止めておくと、給油無しで朝まで燃え続けてくれちゃいます。
トヨトミ レインボーストーブと同様、漏れ防止の2重構造となっているようですが、基本的に私は現地で入れて現地で可能な限り燃やし尽くしています。
が、ちょっとだけ残ってるな~って言うくらいで持って帰っても、漏れた事は有りません。
回すだけの簡単点火 緊急消火機能も付いていて安心
着火には単二の電池を4個使用し、ツマミを回すだけで簡単に点火出来ます。
タクードの場合は芯に直接チャッカマンなどで火を点ける必要が有りますが、回すだけで良いから楽です♪(ツマミを回すだけっていうのは、レインボーストーブも同じです)
電池を使用するので、シーズン終了後はストーブ本体から電池を取り出す等しておいた方が良いかと思います。電池の液漏れとかが起きたら…カナシイですからね。
簡単点火の他、安全装置として「緊急消火機能」が付いています。
この赤丸がソレです。
snow peakと書かれた蓋を開けると、中に鉄の塊みたいなのが入っていて、これが揺れると芯が下がり緊急消火されます。
なので、地震や転倒の際も安心です♪
普段はツマミの消火側に目一杯回すと消火されますが、持ち運びの際には大体この緊急消火装置が作動して「ボンッ!」って音が鳴りますので、「あ、作動したな」ってわかります。
THE!ストーブ!な、良いデザインです
このストーブの最大の特徴は手をかざすと暖かい、輻射式の「ザ!ストーブ!」な暖かさを感じれる事ですが、もう一つ…
デザイン…良いよね♪
めっちゃストーブ感満載で♪
シンプルな赤い燃焼筒なんて…もうレトロ~な感じのストーブです。
全体的にマットブラックなカラーリングがキャンプシーンにもとても合いますし、奇をてらわないストーブ本来のデザイン!って感じで、私は好きです。
落ち着いた黒なので、当然家での使用もバッチリ!インテリアとしても期待できるデザイン。
この上にヤカンなんかを置くと、小学校の頃、教室に有ったストーブを思い出します♪
タクードはほとんど火が見えない・レインボーストーブは40w相当の明るさを発する為、また一風変わった魅力的なデザインですが、グローストーブは筒が赤くなるだけで特に明るくならないため、ザ・ストーブな見た目をより感じれます。
明るくならないので夜通しつけていても明るさが邪魔にもなりません。
まさにザ・ストーブ♪
スノーピーク グローストーブの注意点
グローストーブ おススメのケースはこちら
スノーピークのストーブケースでも入るらしいです。実際、ほぼ同サイズのレインボーが入るケースですから、入るはず…
が…私はグローストーブ購入時にケースを同時購入しようと思って、店頭で入れてもらってみた所、ストーブの底板がケースに干渉してピッタリ入らなかった…
HPでも、スノーピーク ストーブケースにはグローストーブ収納可と書いてあるので、問題無いと思いますが、なぜか私が見ていたストーブケースはかなり入れづらかった為…
オレゴニアンキャンパー ポップアップトラッシュボックスに収納しています。
若干ストーブの方が背が高いですが、ほぼほぼピッタリサイズなので問題無く持ち運べます。
ポップアップトラッシュボックスをストーブケースに利用すると、キャンプ場ではゴミ箱として活用できるので、私はこちらの方が好きです。
別途ゴミ箱を持って行く必要もなくなるので、荷物が減りますし。
ただ、スノーピーク ストーブケースはクッション性が有り、こちらには無い為、クッション性が欲しい場合はスノーピーク ストーブケースが良いです。
もしもスノーピーク ストーブケースを使ってみて入れにくかった場合は、底板を取ってから入れてください。
底板は簡単に取れるので、それを取ってストーブ上部にでも置けば簡単に収納できました。なので、私が言う「入れにくかった」というのは、そんなに気にする必要もないかもしれませんね。
調理は苦手です 湯沸かし位なら問題無いけどね
熱を横方向に放射するのと、天板が17㎝しか無いので、調理にはあまり向いていません。
1L程のお湯も、沸くまでに15分以上くらいはかかっていました。でも、ちゃんと沸くので使えなくは無いです。
基本的には湯沸かし程度と考えておくのが無難ですが、8インチのスキレットであれば安定して乗せる事が出来ました。
が、12インチのダッチオーブンは…
バランスが悪く、危険でした。これはダメ、絶対…
グローストーブは暖を取る事をメインに考え、ついでに湯沸かしや小型の調理器具であればギリギリ使えると言った程度に考えておくのが無難です。
あと、火力についても、通常のバーナーと同じように思ってはいけません。
天板と火が少し離れているので、湯沸かしには問題ないですが、食材にしっかり焼き色を付けるような強火にはなりません。
弱~中火の間程度の火力でしょうかね、感覚的には。
写真は8インチのルクルーゼで、クラムチャウダーを調理した際の写真ですが…
スープを煮込む程度の火力は有りますが、がっつり強火で炒めるというよりはじっくりコトコト煮込むイメージの火力になります。
その点を理解していれば、とても美味しいクラムチャウダーは作れますよ。

石油ストーブで調理をメインにしたい場合は、タクードがおススメです。

ランタン並みの明るさを求めたい場合はレインボーストーブがおススメです。

グローストーブは、暖かさに特化したストーブと言えます。
皆さんも、お気に入りのストーブでぜひ冬キャンプに挑戦してみては?
それではまた!



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