今回は冬キャンプを始めるにあたって、用意した方が良い物と注意点、そして冬キャンプの魅力をご紹介していきます。
と言っても、ぼるしちは非降雪地域での冬キャンプしか経験がありませんので、今回の記事は雪中キャンプでは無く“雪のない冬キャンプ”の場合となります。
それでも春~秋とは違う装備や注意点が有りますので、今まで春~秋限定だったけど、今年は冬も挑戦したい!!っていう方はぜひご覧ください。
・冬は何に気を付けたら良いのか知りたい方
・冬も快適に過ごす方法が知りたい方
・冬は寒いから嫌だ!と言っている家族を説得したい方
注意点① とにかく寒い!
まず前提として…雪が無くとも冬キャンプはメチャクチャ寒いです!
この寒さをどうやり過ごすかが、非降雪地域における冬キャンプのポイントになります。
(非降雪地域なのでタイヤチェーンについては触れませんが、道中雪が心配な場所を通る際はチェーンは持って行きしょう!でも、そういうリスクのあるキャンプ場には行かないのが一番です。)
日中は日差しが有れば結構温かいと感じます。
が、日が傾く15時頃からは一気に体が冷えてきます。17時くらいからは太陽も沈んで夜の世界。その辺りからはかなり真剣に寒くなってきます。
焚き火で暖を取ればいいんじゃない?よく雑誌で「冬は焚火のベストシーズン」って書いてるでしょ?と思われるでしょうけど…焚き火って「前」しか温かくないんですよ。
はっきり言って、焚火でも寒いです。
そんな焚火をしてても寒い冬の夜、食事の後の洗い物なんて、軽い地獄です(笑)。
冬に水で洗い物をしていると、冷たいを越えてメチャクチャ痛いです。それに、油汚れなんて全く落ちません…。
さらに、眠ろうとしても地面からの強烈な冷気が押し寄せてきます。シュラフは温度帯的に大丈夫なはず…なのに背中が寒い!という事も起こります。
解決法① 椅子には暖かくなるブランケット等かけてから座る
たとえ焚き火をしていても、背中からグングン冷えてくるのが冬です。
もし外で過ごす場合は、ブランケットや羊毛等、暖かい物を敷いてから座るとかなり寒さが軽減されます。
私はIKEAで購入した羊毛の敷物を使用しています。
羊毛はブランケットと比べてもさらに温かく、肌触りも良いので冬キャンプをイスで過ごす方にはぜひ使ってほしい1品です♪
一度使うと、冬キャンプのみならず家でも手放せないかもしれません…。
ブランケットの場合は、難燃性をおススメします。冬は焚火により近づきたくなる…。寒いから。
そんな時、爆ぜた薪から服などを守ってくれるのが難燃性ブランケットです。燃えにくい素材を使用しつつ、温かさを確保してくれるありがたいギアです。
解決法② 足先の防寒対策をする
冬は普通の靴を履いているとかなり足が冷えます。
末端部分は冷えやすいのに、足には防寒具なない…そんな状況だと、冷えるのは当然ですよね。
手には手袋があるのに…足は普通の靴では、結構辛いです。
私のおすすめは冬用モックシューズ。例えば後述するこたつスタイルにしても、そうでないにしても、冬キャンプではテントの中にいる事が多くなりがちです。そんな時に、スリッパにもなる・靴にもなる・防寒性能が付いている冬用モックシューズはかなり重宝します。
私はニューバランス キャラバンモックを使用しています。履き心地などは詳しくは別記事でご紹介していますが、非常に快適になります♪
靴を変えるまではちょっと大変…と言う場合は、靴下だけでも厚手にするとちょっとはましになりますよ♪
解決法③ スカート付き2ルームテントを使用する
冬の写真では無いですが…
2ルームテントのスカート付きが冬にはおススメです。
このひらひらがスカートです。これが有ると、風の入り込みが低減され、テント内に冷気が入り込みにくくなります。(ちゃんと外に張り出さないと効果は弱くなります)
スカートが有る事がテント内で過ごす快適さに影響するのが分かった所で、次はなぜ2ルームなのか?を見ていきます。
はっきり言って、冬の晩ご飯を外で食べるのは…結構きついです。出来ないことは無いですけどね、きついです。
冬の夜に外で肉を焼いた場合、焼きあがった肉は片っ端からすぐ冷えていきます。
なので、基本的にはオーブン料理とかになると思いますが、オーブンでグラタンを作っても、真冬の冷たい風を受けると、取り分けたグラタンもすぐに冷えます…。
冬の晩御飯はテント内で頂くのが快適でおススメです。
そうなると、2ルームが便利になってくるんです。2ルームは寝室+リビングが1つのテント内で分割されているので、外の冷たい風を遮りつつ食事が出来ますから。
2ルームではなくて、テント+スクリーンタープでも、もちろんOKです。それら冷気・冷たい風を遮りつつ食事できるスペースが欲しくなるのが冬です。
その条件を簡単に満たすのがスカート付き2ルームテント。
冬キャンプにはおススメです♪
解決法④ 電源付きサイトを選ぶ
冬キャンプの強い味方「電源+ホットカーペット」
2ルームテントのリビング部分をお座敷スタイルにすると、ホットカーペットの上で食事も出来るので、最高です♪
お座敷スタイルについては、アウトドアメーカーから出ているリビングシートを使用すると簡単に出来ます。
下のはコールマンのリビングシートです。
さらに下はリビングシート全体の検索結果が反映されています。色々な種類が有りますよ♪
リビングシートはサイドが立ち上がっているので、小石の侵入が防げるようになっており、お座敷スタイルには最高ですが、希望のサイズが無い場合はグランドシートみたいなものでも問題ありません。
その上に出来ればインナーマットを敷いて…(無ければラグ等を敷いて…)
そこからホットカーペット。その上にホットカーペットカバーをかけて完成♪
これで、ホットカーペットで快適キャンプが可能になります。(ドームテント内にホットカーペットもアリですよ♪)
3畳用辺りがファミリーには使い勝手が良く、おススメです。2畳だとちょっと狭い…。
電源使用の場合は延長コード必須です。普通の延長コードでも、最低5m(できれば10m)を選びましょう。電源が端っこにある場合が結構多いですから。
私は白い上の写真の延長コードですが、やっぱりこういうのがカッコいいですね♪
おシャレバケツで有名なマーキュリーからも出ています♪こちらは5mなので、ちょっとギリギリかなと思いますが…。
ホットカーペットがあると、ぼるしち流こたつスタイルが出来る
ホットカーペットが有れば、その温かさを利用してこたつを作る事も可能です♪
家のマジこたつをキャンプ場に持って行くのは…積載量の関係で不可能な方が多いと思いますが、ホットカーペットを利用すれば持ち運びが簡単なこたつが作れます♪
詳しくはこちらで紹介しています。
解決法⑤ ストーブを使用する
薪・石油・ガス等のストーブは必須です。
無ければ、ただ凍える厳しい修行キャンプになります。私は、タクードという石油コンロを使用しています。
調理用のコンロですが、氷点下くらいの気温でも、テント内は10~15℃くらいには保ってくれるので、普通に過ごす事が出来る気温になります。
テント内なのでね、ストーブを使っても半袖で過ごすとかは厳しいですが(そうするなら、かなり高出力のストーブが必要)、過ごせる程度の寒さにする為にもストーブは必須です。
おススメはお手軽な石油ストーブ!
とにかく扱いやすいのでね♪薪と違ってくべ続ける必要も無いですし、いつも使っている燃料だと安心感も有りますし♪何よりランニングコストが安い♪
アウトドア用石油系では、私の使用しているタクード(すごくコンパクト)や…
40Wの明るさで、すごく温かい雰囲気を醸し出すスノーピーク レインボーストーブや…
ストーブと言えばトヨトミ!から出ている、スノーピークと同じ品(笑)スノーピークはトヨトミのOEM品なのでね♪その分ちょっと安いです。
さらには圧倒的火力のトヨトミ ギアミッションも有ります。
オシャレアウトドアストーブでは、アラジン ブルーフレームも味が有って良いですね♪
これらアウトドア用ストーブは対流式といって、温まった空気がテント内を循環し、テント内をやんわり温める形式が多いので、より暖かさを感じたい場合はストーブファンが効果的です。
電源はストーブの熱なので、ストーブ上に置くと勝手にファンが回り、温風を送り出してくれます。私の必需品です♪
暖を取る為に火を使うと、一酸化炭素が発生する!かも。
ただし!基本的にはほぼすべてのテントで火気の使用は禁止されています。
なので冬場、テント内にストーブを持ち込んでいる方は自己責任での使用となります。
狭いテント内で燃料を燃やすと不完全燃焼による一酸化炭素が発生することが有りますので、使用の際に必ず一酸化炭素チェッカーを最低2個使用して、自身・家族の命を守りましょう。
タクード・レインボーストーブはスノーピークのシェルターでの使用が可能とされていますが、それでも一酸化炭素チェッカーは必須です。
最低2個の理由は、1個だけだと動作不良だった場合、命に関わるからです。2個は絶対用意しましょう。
解決法⑥ お湯の出るキャンプ場を選ぶ
寒い冬に、冷たい水で洗い物が出来ますか?
手が凍えてしまします。それに、油汚れが全くといっていい程落ちません。
ソロやデュオのキャンプであれば、家に持ち帰って洗うのも有りですが、ファミリーとなると量が多くなるのでちょっとキツイ…
お湯が出るキャンプ場であれば、非常に快適に洗い物が出来るようになります♪
とはいえ、お湯が出るキャンプ場は少ない…。出ない場合はお湯を用意するのも一つの方法です。
デカい鍋にお湯を張って、油汚れを落とすのも一つの方法ですし…
これが有ればもっと楽になります。
水を張って、食器を入れて火にかけることが出来る(らしい)キャンプ用シンクです♪私は持ってないのでダッチオーブンで代用ですが(笑)。
水で洗う場合はゴム手袋が必須になります。最低限ゴム手袋が有れば、何とか水仕事が可能になる…それ程に冬の水は修行です。
解決法⑦ インフレーターマットを使用する
過ごしている間もずっと寒いですが、寝ているときは特に寒いです。
寝袋が冬用でも、寝ていると背中からガンガンに冷えてきます。
そう、底冷え!
厚さ1㎝程度のインナーマットでは底冷えは防げません。底冷え対策にはホットカーペットか、インフレーターマットが最強です。
たまに見かける「コットなら底冷え知らず」と言うヤツ…あれ、試しましたが無理でした。だって…コットって布1枚ですよ?布の向こうは0℃の空気…冷蔵庫の中で布一枚で寒さを防げますか?私は無理でした…。
結果、ホットカーペットもしくはインフレーターマットが最強という所に行きつきました。
インフレーターマットは地面のゴツゴツも吸収してくれて、非常に寝心地も良くなるので、私はインフレーターマットの上で寝るのが好きです♪
ホットカーペットで寝ると、汗をかきますし…
インフレーターマットとは、ウレタン等が中に入っている、自動膨張式のマットの事です。
シングルサイズが一般ですが…
ダブルサイズも有ります。私はセミダブル1つとダブル2つを使用しています。
ダブルサイズは寝相の悪い子供が暴れても、落ちたりズレたりしないので便利♪
セミダブルは幅1m程度の1人用マットです。FIELDOORやDODから出ていて、寝返りを打っても落ちる事が無い寝心地は…超快適です♪
解決法⑧ 温度帯に適したシュラフを使用する
シュラフの温度に関しては詳しくこちらでご紹介していますが、マイナスの温度帯まで対応したシュラフが必要になって来ます。
春~秋の3シーズンシュラフを使用する場合は、フリースシュラフを重ね着するとか、家から毛布を持ってくるなど、シュラフの温度帯には注意をしましょう。
手持ちのシュラフではちょっと寒い程度なら、これを重ねる事である程度快適になるかと思います。私は夏にこれ1枚で寝たりしますが…。
注意点② めっちゃ暗い
とにかく暗いのが冬…。
17時には完全に夜です。超寒い夜です。そんな冬に灯りを付けようと思ったら…あんまり明るくならない!という事が起こるのも冬です。
そのランタンはガスランタンですか?
もしそうなら、灯り自体が暗くなる可能性が有ります。
解決法 ガソリン・ケロシン・LPガスを使用する
ガスを燃焼する際に気化熱が発生します。気化熱でガスボンベが冷やされていき、ガスが低温になり気化しにくくなります。
そうすると、どんどん暗くなっていきます。
これをドロップダウンと呼びますが、冬はガスを燃料源とするのはちょっと危険です。
ガスを使用するのであれば、寒い時期用にLPガスを配合したパワーガスを使用していれば、ある程度ドロップダウンは防げます。が、完璧にとはいきませんけどね。
冬はホワイトガソリンかケロシン(灯油)のランタンをおススメします。
それらは低温下でもしっかりと明るさを確保してくれます。私はガソリンランタンしか使用した事が無いので、そちらの紹介しか出来ませんが、ガソリンランタンに関してはこれらを読めばバッチリ使えるようになりますよ♪
注意点③ 火が付かない…
これもランタン同様、低温下のガスバーナーを使用しているとよく起きる事例です。
CB缶タイプのガスバーナーを使用していますが、冬場は火力の低下を如実に感じます。
酷い時には火が付かなくなります…。
そうなっては、料理どころではありません。
解決法 低温対応ギアと低温対応の燃料を選ぶ
バーナーに関してはガスを燃料とする方が多いかと思います。
ガスを使用する場合、LP配合のガスカートリッジを必ず用意しましょう。それでも火力の低下は起きますが、まだマシです。
さらには、低温下でも使用可能なレギュレーターを搭載したモデルを利用するのも一つの手です。
SOTO FUSION ST-330にはマイクロレギュレーターが搭載されています。これとパワーガスを併用すると、冬でも安定して調理が可能になりますよ♪
ガス缶と本体直結のバーナーST-310もマイクロレギュレーターが搭載されています。
とはいえ、一番安定して調理が可能なのは、ガソリンですけどね(笑)。
MUKAはガソリンバーナーなので、全季節で使用可能な頼もしいバーナーです。
コールマンにもガソリンバーナーが有ります♪これは小型なので、持ち運びがし易いですね♪
こちらはガッツリとしたダッチオーブンまで使えるので、調理特化の家庭用コンロみたいなガソリンバーナーです。
注意点④ 風が強い日が多い
冬は風が強い日が多いです。
テントを建てる時も、仕舞う時も強風にあおられる事が有ります。
さらには焚火中にも強風が吹いて、火の粉がかなりロングランすることも有ります。
冬は風が強いもんだと思っておいた方が良いです。
解決法
テント設営に関しては、風上側を2~3カ所ほどペグダウンしてから立てて行きましょう。
ペグダウンせずに立てると、強風でテントがひっくり返って破損という事にもなりかねません。
撤収時も同様に、風上側のペグを何カ所か残しつつ畳んでいくと、撤収しやすいですよ。
あと、強風の際の焚き火は止めておく事をおススメします。
空気が乾燥している冬に、強風で火の粉が飛ぶと、2サイト先くらい迄飛んでいく事が有ります。隣のテントや自分のテントなんて、ガンガンに飛びます。
自分のテントなら諦めが付きますが、人のテントに穴を開けた場合は大変です。
強風時の焚き火は化繊テントには凶器です。諦める事も大事ですよ。
冬キャンプの魅力
なんか…色々大変そうだけど…なんでそこまでして、って思いませんでしたか?
それは、それを補って余りある魅力があるからなんです♪
星がスゴイ
山や海あたりの人気(ひとけ)の余りない所でキャンプを経験された方は、良く晴れた日なんかは満天の星を見たよ!っていう方もおられるかと思います。
でも、夏~初秋あたりだとかなり気象条件が良くないと満天までは、なかなか見れません…。
でも冬はね、空気中の水分が少ないので星空がそれらの時期より、かなりはっきりと見えるんです。
夏と冬では見れる星も違いますけど、冬の澄んだ夜空は是非キャンプ場で見て欲しいです。
夏の夜空でも普通に感動しますけど、冬はそこからワンランクアップして心に沁みます♪
夜中トイレに行った後なんか、どれだけ寒くても、しばらくぼーっと立ちすくんでしまいます。
虫がいない
虫がいないっていうのも高ポイントですね~♪
どれだけキャンプが好きで・どれだけ虫から一方的に愛されても、やっぱり害虫の被害に遭わない方が快適ですから…。
精神論じゃねぇ…飛び回る蚊やブヨに対して聖母のように振舞えません。どうぞ吸ってくださいなんて、とても言えないんです…。
冬は良いです♪そもそも居ないんだから♪
無対策で外のコットに寝ていても…な~ンにも寄ってこない♪
汗をかかない
あと、地味に大事なのが「暑くない」という点。
夏の暑さに対して、キャンプで出来る対策なんて正直大してありません。せいぜい扇風機を回して、冷たい物を口にするくらいです。
でもね、寒さは程度にもよりますけど大体対策できるんです。
あるベテランキャンパーは「10月~5月しかキャンプはしない!夏は不快だ!」って言ってました(笑)。
これは極端な例ですけど、汗をかかないキャンプは快適ですよ♪
あとね、ぼるしちが冬もキャンプをするようになった一番の理由はこれです。
「1か月以上キャンプをしないのが耐えられない!」
キャンプ中毒者ですから(笑)。
冬キャンプは危険と隣り合わせであることを理解して、準備を怠らないようにしましょうね~。
それではまた!
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